少女兵士
「武器」としての性暴力
そして、HIV/エイズ
紛争は、さまざまな傷を女性たちに残します。

紛争、女性への暴力とHIV/エイズ

2004年12月

世界中の紛争地で、強かんと性的暴力が戦争の武器として使われています。その結果、女性や少女たちがHIV/エイズやその他の性感染症に感染する危険にさらされています。

コンゴでは内戦下で、女性や少女たちが強制的に戦闘員にさせられました。2004年に解放された14〜15歳の36人の少女兵士たちのうち、17人がHIVに感染していると報告されています。(アムネスティ・レポート[DRC: Mass rape - time for remedies]AFR62/018/2004より)

中央アフリカでは、2002年末から2003年始めにかけて、何百人もの女性と少女が内戦中に強かんされました。“BEY"(仮称)という24歳の少女は、2002年12月、水を汲みにいく途中で3人の戦闘員によって強かんされ、その後、HIVウイルスに感染しているとわかりました。彼女がどのように感染したのかは不明ですが、通常、強かんによってHIVに感染する確率は極めて高いといわれています。(アムネスティ・レポート[Central African Republic: Five months of war against women]AFR19/001/2004より)

女性たちは、HIVに感染したり強かんされると、身体的に被害を負うだけではありません。周囲から汚名を着せられ、社会的にも弱い立場におかれます。

ルワンダ内戦中にいく度も強かんされた女性は、次のように述べています。 「1999年、末の子どもが生まれる前に、私はHIVに感染していると知りました。私が感染していると分かったために、夫は私と一緒に住めないといって、3人の子どもを置いたまま、私と離婚しました。私には、食費、家賃、教育費のあてがありません。夫のほかにたよる家族もいません。私の6歳の娘は、3歳児のように見え、よく咳をしています。きっとHIVに感染しているに違いありません。しかし、お金がないために、薬を買うことが出来ません」(アムネスティ・レポート[Marked for Death: rape survivors living with HIV/AIDS in Rwanda]AFR47/007/2004より)

コロンビアでは、内戦による負傷者の多くは、ジェンダーに基づく暴力のターゲットになっている女性です。軍の支援を受けている準軍事組織による、いわゆる「社会浄化(Social Cleansing)」という名のもと、性産業に従事する人びとやHIV/エイズに感染している人びとが、「社会的に望まれない」とされ、失踪したり殺害されたりしています。(アムネスティ・レポート[Colombia: Scarred bodies, hidden crimes: Sexcial Violence against Women in the armed conflict]AMR23/040/2004より)

行動してください

わたしたちに、できること

  • 伝えてください。
    紛争下における女性たちへの性暴力によって、女性たちのHIV/AIDSに感染する危険にさらされていることを、あなたのお友達や知人に伝えてください。
  • 日本政府に手紙をかいて下さい。
【手紙の送付先】
内閣総理大臣 安倍晋三
〒100-0014 千代田区永田町2-3-1
総理官邸
また、総理官邸の「ご意見募集」のサイトからも送付できます。
書き出し:内閣総理大臣 安倍晋三 殿

安倍晋三 殿

 私は、強かんと性的暴力が、戦争の武器として使われることに憂慮しています。特に女性と少女たちは、紛争下での強かんと性的暴力によって、HIVに感染する深刻な危険にさらされています。
 HIVが蔓延する一方、紛争下では医療制度が機能していません。人びとに、健康に関する情報と適切な医療を提供するように、紛争当事国に対して要求して下さい。
 軍隊によって強かんや性的暴力が行なわれるため、HIVの蔓延が助長されています。日本政府が加盟しているすべての軍事同盟諸国に、軍隊がHIVの蔓延を助長していると伝えて下さい。
 また、国連の場で、国連平和維持部隊による女性への暴力の問題を取り上げて下さい。国連軍兵士による性的暴力に関する容疑が、調査され、被害者への賠償がなされることを、国連に要請して下さい。そして、国連隊員が、国連基準と国際人権の原則にのっとって任務を行なうように、国連に働きかけて下さい。

アムネスティが、訴えていること

アムネスティ・インターナショナルは、「ストップ!女性への暴力」キャンペーンの柱として、紛争下における女性への暴力の根絶を目指します。2004年11月24日、アムネスティは報告書[Women, HIV/AIDS and Human rights](ACT77/084/2004)を発表し、国際機関や各国政府に下記を勧告しました。

  • 各国政府は、自国の軍隊が、ジュネーブ条約など、戦争行為に関する国際基準を満たすように約束すること。特にジェンダーに基づく暴力を禁止するように、自国の軍隊を指導すること。
  • 各国政府は、自国の軍隊のすべての兵士に、ジェンダー問題に配慮した訓練を実行すること。そして、彼らが強かんなどの性的暴力への関与、容赦、黙認しないように確実にすること。
  • 各国政府は、軍司令官が兵士による性的暴力の容疑の調査に関して説明責任を果たし、調査の結果を公表し、十分な賠償が被害者に与えられるようにすること。
  • 各国政府は、性的暴力の容疑がある兵士を裁き、犯罪の重大さに見合った判決を下すこと。
  • 各国政府は、女性への暴力を行なっている武装勢力への支援をやめること。
    • 武装勢力が関与している、すべての女性への暴力を公に非難すること。
    • 女性への暴力に関与している政府や武装勢力に対して、すべての後方支援、経済支援、軍事支援を止めること。
  • 各国政府は、国連平和維持軍による暴力を防ぐこと。
    • 国連文民隊員や軍事隊員の性的暴力に関する容疑が、調査され刑が課せられ、被害者に賠償がなされるために、必要なすべての手段を行使すること。
    • 国連隊員が、国連基準や国際人権の原則にのっとり、訓練され任務が遂行されることを、確実にすること。

会員になって、アムネスティの活動に参加し、支援してください。


いっしょに企画・活動しませんか?

「ストップ!女性への暴力」キャンペーンに、皆さんも参加しませんか? 講演会、イベント、アピールはがきの作成、政府への働きかけ…やることはいろいろあります。お気軽にお問い合わせください。

● 東京事務所
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アムネスティ・インターナショナルとは

■アムネスティとは英語で「恩赦」という意味。1961年の設立以来、世界人権宣言で謳われている基本的な人権をすべての人が享受できる世界をめざし、国境を超えて声をあげ続けている不偏不党の国際的な人権擁護団体です。現在、150以上の国・地域に150万以上の会員を持ち、国連など国際機関との協議資格を持っています。アムネスティの調査と活動は、拷問や死刑、思想・信条など表現の自由への迫害、差別などを防ぎ終止符を打つために行なわれています。その調査の正確さには定評があり、多くの政府、メディア、学者に参照されています。
■アムネスティ日本は1970年に設立され、現在、約120のグループと約7000人の会員がいます。
表紙 / メール / アムネスティ日本

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(c) アジア女性資料センター。ソウルの日本大使館前で抗議行動をする元「従軍慰安婦」たち。

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(終了)


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